国家と神とマルクスーー「自由主義的保守主義者。かく語りき【目次】
—それでも私は戦う 国民にお詫びし、最後まで戦う 8 一一審も敗訴、即日上告 / 外務省が頼った宗男氏の政治カ / 参考人になれば 洗いざらい話す 獄中で何を読み、何を思ったか 狭い独房は最高の書斎 / マルクス経済学で新自由主義の論理を探る / 「す べてを代表する」ボナバルティズムの危うさ / 小泉首相得意の同語反復命 題話法 / 国際情報戦争で敗北しつつある日本 / 「順応気構え」を脱し自ら 考える努力を 時代の観察者として踏みとどまる覚悟四 国策のパラダイム転換が行われた / 一神教のかかえる病理 / 思考する活字 メディアの重要性 / 保守の立場からマルクスを読む 国家の意思とは何か 新自由主義に歯止めをかけたホリエモン逮捕 〔一〕国家の生存本能 / 〔一一〕村上正邦、鈴木宗男氏に対する取り調べ / 〔三〕国策捜査の本質 / 〔四〕国体護持の観点から堀江貴文逮捕を考える
「やさしさ」は「国家権力」に対抗できるか 問題設定二〇〇三年のクリスマスイプ / やさしいまなざし / 記述の順序 ・弁護人にとっての他者理解法律家と物語 / 観念論と他者認識 / 閉ざ されたインターアクション / 検察官・看守とのインターアクション 2 ・歴史認識 ( 暴力と自由の弁証法 ) 時代の幕引き / 法律家はアナーキ ストになれない 3 ・国策捜査と国家の弱体化「法律の罠」 / 国家の二つの顔 / 安田事件 は国家弱体化現象 / 安田氏の南朝イデオロギー / 多元性と寛容の精神 Ⅲ私は何を読んできたか 「深く考える」訓練をしてくれた堀江六郎先生 〃現実世界〃を照らし出す小説の機微ーー「人間の條件」五味川純平 グロー リゼーションに文学は対抗できるかーー「近代文学の終り」柄谷行人 ガンに斃れた希代の読書家が遺した書評と闘病記 「打ちのめされるようなすごい本」米原万里 0 一一人のカール結んだ純粋資本主義の視座ーー「経済原論」宇野弘蔵 独房で染みた名翻訳理性がもたらす癒し 「歴史哲学講義」上・下、 o ・ヘーゲル / 長谷川宏訳 8 ′ 4 8
獄中生活五百十一一日の救済ーー『太平記』 一神教と多神教を同格と考える塩野史観の意義 「キリストの勝利ローマ人の物語 x Ⅳ」塩野七生 Ⅳ日本の歴史を取り戻せ 小渕恵三総理からの命令 / 大川周明と対中央アジア・インテリジェンス / 東京地方裁判所の被告人席で / 『米英東亜侵略史』との出会い / アメリカ の変質 / アメリカによる日英離間 / イギリスの狡猾な植民地主義 / 世界史 とは何か / 戦後アメリカが作った軍閥神話 / 日本の歴史を日本人の手に取 り戻すために / 蓑田胸喜の大川周明批判 / 「大日本者神國也ーの意味 / 『愚管抄』のグロー リズム / 権威と権力の関係 / 北畠親房の論理 国家という名の妖怪 無神論研究のため同志社大神学部へ / 初めに結論ありきの護教学 / 神学部 自治会の傍らで / 大学院を経て外務省に入省 / 官僚は国家を支える一つの 階級 / ソ連は消費社会の欲望によって崩壊した / 日本の左翼、国家論の原 点とは / 繰り返される日本資本主義論争 / 国民国家とナショナリズムの関 149 11 ろ
あるいは長いあとかき Ⅵ絶対的なるものー 私が自然体になれる人 / 左派、右派の垣根を越えて / 矛盾が平然と共存す る / インテリジェンス活動家の条件 / 自己の価値観を他者に押しつけな い / マルクスを現代に活かす 係 / 拝外主義のシンポル「ゴーマニズム宣言」 / 国体護持のための護憲 / 大日本帝国憲法こそ押しつけられた憲法 / 資本主義の弊害をどう克服する か / リアリストとしてアメリカと付き合う / 国家は戦争し、徴兵し、徴税 する / 『靖国問題』は寛容の幅が狭い / どの国にも「国家の物語」があ る / 社民主義の天才的政治家 / 人類の欲望を抑えられるか / 国家の超克は 果たして可能か / ュートピア思想と千年王国思想 / レーニンとスターリン の連続性 カバーデザイン / 川畑博昭 カバー帯写真提供 / 朝日新聞社 2 ろ 9
【著者略歴】 佐藤優 ( さとう・まさる ) 起訴休職外務事務官。 1960 年東京生まれ。 85 年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。ロンド ン、モスクワの日本大使館勤務などを経て、本省国際情報局分 析第一課に勤務。外交官としての職務のかたわらモスクワ国立 大学哲学部 ( 弁証法神学 ) 、東京大学教養学部 ( ューラシア地 域変動論 ) で教鞭をとる。 外務省きっての情報分析官といわれるが、 2002 年 5 月、背任容 疑で逮捕される。一審、二審とも執行猶予付きの有罪判決を受 け、現在上告中。 「国家の罠」で第 59 回毎日出版文化賞特別賞、「自壊する帝国」 で第 5 回新潮ドキュメント賞を受賞。 ( いずれも新潮社 ) 他に「国家の自縛』 ( 産経新聞出版 ) 、「国家の崩壊」 ( にんげん 出版 ) 、「日米開戦の真実』 ( 小学館 ) 、「獄中記」 ( 岩波書店 ) な どの著書がある。 国家と神とマルクス 「自由主義的保守主義者」かく語りき 2007 年 4 月 18 日初版発行 著者一一一佐藤 優 英夫 発行者 発行所 印刷製本 芝 株式会社太陽企画出版 〒 101 ー 0052 東京都千代田区神田小川町 3 ー 7 ー 13 ヴァン・サンクピル 8 階 電話 03 ー 3294 ー 8231 ( 代 ) 振替 00120 ー 4 ー 75392 中央精版印刷株式会社 ◎ MASARU SATO 2007 Printed ⅲ Japan ISBN978 ー 4 ー 88466 ー 435 ー 0